1992年、日本初の灯台をテーマにした本格的な博物館計画に携わる為に北海道を訪れた。函館市から東へ約50キロにある恵山岬、その地に灯台博物館が建てられることになった。
博物館計画の為に灯台を調べ、深く知るうちに文学や絵画、映画などで灯台をテーマにした作品は数多く存在し、遡れば紀元前から人と灯台との繋がりは想像以上に深いことを知った。
漆黒の闇が広がる大海に向かって命の灯を灯し続ける姿は健気であたかも生きているかのよう。その姿に魅せられ、美しく残したい。そんな思いで灯台を追い求めて日本中の岬を訪れ、フィルムに納めた。
1992年から1998年までの間に撮影したフィルムは膨大な量となり、今日まで一部を除いて未発表だった。ただ、このまま日の目を見ずに終わることは美しい姿を見せてくれた多くの灯台たちに申し訳なく、念願だったデジタルデータ化に至った。
国内の現存する「歴史的に意義のある灯台」は23基存在する。その全ての姿を残したいという目標は残念ながら道半ばに終わったが長きに渡り休むことなく命の灯を灯し続けている全国の灯台たち。その姿をご覧頂けたら幸いである。
2020年5月
星野光一郎(旧姓 板村光一郎)
photographer website : j-lights.space
blog : j-lights.space/blog/LIGHTHOUSE
e-mail : ki@j-lights.com